【#56】 ちょっと良い話

我が母

母は今年80歳になった。
若いときから、働きの者で、村でも有名であった。
朝、暗いうちから働き、夜遅くなってから、仕事を
おえる。キツイ農作業である。
母の名は「及川くり」である。
「太陽と、くりさんは出ない日はない。」と
言われたそうだ。
一年中働きづくめであった。
でも、母の愚痴は聞いたことはなかった。
母は、いたってようきであった。いまでも
自分で話し、自分でわらう。人を笑わせること一番である。
また、元気がいい。
先日、嫁いでいる娘が癌になった。
兄弟皆で深刻な思いで心配していた。
母が高齢であるので、皆で母には言わないことを
申し合わせたのである。
然し、どこで聞いたのか母は、娘の癌を知ったのである。
そして「乳がん癌ぐらいで、心配することはない、
乳がんで死んだ人はいない。乳がん手術して、その後
働いている人は何人もいる。心配ない、心配ない。」
と、娘を励まし、大笑い。

その後の、娘は退院し、転移もなく、退院後の通院治療もなく
健康で暮らしている。
気丈は母、強い母、明るい母、楽天な母、
でも、心の中は、何時も50歳を過ぎた子供達を心配している。
顔にも、口にも出さないが。
そんな母に、感謝、感謝、