《千丈の堤も蟻の穴をもって潰え、
百尺の室も突隙の煙をもって灰になる》
韓非子より
世のあるものはすべて、大は小よりおこるゆえ、「難事はたやすい事から、千丈の堤もアリの一穴からつぶれ、百尺もある部屋も煙突の隙間の煙から灰になる」と説かれています。
小さいことを放っておくと大事になるので注意せよと言うことです。
あるファミリーレストランチェーンの話です。
水道の蛇口がゆるんでいたために、一秒間に一滴の水が漏れると年間7,000円のムダになることを社員に数字で示しました。店長をはじめ部下、パート社員にいたるまでムダ防止を徹底指導すると同時に、水道の使用方法をマニュアル化までしています。
「そこまでしなくても・・・」と、いろいろ社内的に批判はありましたが、この会社の社長は批判をもろともせず決断実行し、年間300万円の水道費のムダを防ぎました。
電気、冷暖房、コピーのムダ使いに気づかない会社ほど利益が漏れていることが多いものです。
経営者は、「蟻の一穴」に、こんな細かい事と見過ごさず目配り気配り、時には決断も必要なのです。