【#761】 記憶にございません

政治家という者は、こうも平気で「嘘」が言えるものだと
国民の誰もが思っているだろう。
自民党の旧橋本派の「ヤミ献金事件」。またかである。
事件の当事者の橋本元首相も、自民党の実力者青木参議院会長も、
そして、あの自民党の陰の首相といわれた小泉首相の天敵、
野中宏務氏も、3人口をそろえて「記憶にございません」である。
一億円の小切手が入った封筒を、あの臼田日本歯科医師会会長から
もらって、3人で顔を見合わせ互いににんまりと笑ったくせに、
「記憶にありません」言わせませんよ、国民は。
3年も前の事だから「覚えがない」だって。
国会における外交政策や国内のいろいろな政策は何年もかかって
行われるが、それをやるのが政治家であるはずだ。
それが2年や3年ですぐ「記憶」が消えるような政治家に
国の進路を任せる事なんかできやしない。
「記憶ございません」は何年ごろだったかは忘れたが、
確かロッキード事件の国会証人喚問で、事件の当事者の国際興行の
小佐野賢治氏が答弁で言って有名になった言葉と記憶してる。
あれ以来政治家も自分に不利な事、都合の悪い事は「記憶にありませ
ん」「秘書がやった事」で逃げる。この記憶にございませんは
この逃げの常套手段なのである。
政治家にとって一億円は「記憶に留まらない」程小さい
金額なのだろうか。
であるとすれば、国民意識からあまりにもかけ離れているとしか
言いようがない。
政治家に倫理観や道徳観を求めるの酷であると言う人がいる。
倫理観や道徳観があったら政治はできないと言った国会議員が
いたが、国会議員とはそのような人種なのであろうか。
でもやっぱり、倫理観や道徳観を持っていて欲しいと
思うのである。だって日本国民の代表なんだから。
戦後日本の政党は、特に自民党は業界団体の支援で選挙に
勝ってきた。だから業界から金をもらい、業界に有利な
法律や政策を作くり政治を行ってきたのである。決して国民の生活に
有利になるように政治家は動かない。だって金にならないから。
国民に目を向けるのは選挙前の人気取りと、票かせぎの
土下座パフォーマンスの時だけである。
こんな事をしている自民党を許してきたのは、我々国民である。
今回も、日本歯科医師会に有利な政策を作ってもらうための
臼田会長の思惑に、橋本、野中、青木が一億円をもらって
乗ったのである。こんな事バレルのは初めからわかり切った事なのに。
本当に懲りないんだね、議員というのは。今まで何人もこの手の
事件で捕まっているのに。学習しないのかね。
自民党は本当に腐ってしまった。再生が無理かも知れない。