【#871】 節

松本滋先生の『成人の心』、2回目を読みました。
何回読んでも本当に心に染み入る感動の書です。
今日はその中から「節」というエッセイをご紹介します。
この社長日誌を読まれた方の心の糧にして頂ければと思います。
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「節」

節というものは、到る所にあります。人はすぐ竹や木の節を
思い浮かべますが、人間の身体にも節は沢山あります。
手、足、指、首、背骨等、数え上げると幾つあるか分らない位です。

この節が時々痛むのです。人によっては眠りを妨げられる程痛みます。

しかし、その痛みはともかく、節というものが無ければ、人間、
立ったり坐ったりも、歩いたり物を書いたりする事もできません。
そう思えば、節は有難いものです。

そればかりではありません。人生の歩みの中にも“節”というものが
多々あります。季節の変わり目も、節分と言われ、それは新らしい
動きの始まりを示します。正に「節から芽が出る」です。

節を苦しみと思うか、楽しみ、好機と受け取るか、
それは一人一人の心の如何によります。

ただ少なくとも詩歌などは、“節”をつけて歌う(あるいは吟ずる)
ことによって、その心をより美しく、より深く表わすことが出来ます。
節が無ければ一本調子で、人の心魂に訴え、響くものがないのは
確かなことと申せましょう。