【#884】 論語読み

聖心女子大学名誉教授で天理教谿郷分教会長の松本滋先生の
エッセー集「成人の心」より、一節をご紹介します。
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 論語読み

よく「論語読みの論語知らず」ということが言われますが、
論語に限らず宗教的思想的文章を読む場合に、ただ字面を
追うのみで、その深い意味まで掘り下げて考えないことが
よくあります。
とくにそれが平易な文章だと、サッと目を通して読んだことに
してしまいがちなものです。

しかしながら、今日の社会一般の風潮を見ますと、
「論語読み」はまだ良い方ではないかと思わざるを得ません。
と言うのは、初めから本を全く読まない人、読もうとしない人、
つまり“論語読まずの論語知らず”の人が極めて多いように
見受けられるからです。

しかも重要なのは、そういう人が何かで行き詰まった時に、
たまたま出会った怪しげな書に無自覚にのめり込み、
信じられない位狭い物の見方に陥って、人生を誤ってしまう
ことがある、という事実です。

「論語」に象徴されるような基本的な書物は、常日頃、
できるだけ読んで、視野を広くしておくことが大切と思われます。