【#1017】 コンピュータの一人歩き。

IT業界にいる自分が言うのもおかしいが、
何でもIT化されたり自動化されたりするのは、ちょっとしたミスが
大なミスにつながる事になる。
間違いが誰の目にも触れずに、間違いのまま一人で進んで
しまうのである。

みずほ証券の誤発注も、間違いと気がつき訂正したが
訂正が入力できないまま、システムだけが一人で進んでしまった。
みずほ証券とつながっている東京証券取引所のコンピュータに
もプログラムのミスがあった。
みずほ証券の入力ミスと東京証券取引所のプログラムミスが
重なったのである。事故というのはこんなものである。
何万分の一の確立で起きるミスと何十万分の一で起きるミスが
重なったりするものである。(マーフィーの法則のようなもの)

みずほ証券は、わずか数分で400億という損失を被ったのである。
みずほ証券は誤発注に気付いてもすぐに公表せず内部で対応
したようだ。東京証券取引所も誤発注の事実を把握してから
すぐには公表しなかった。それが混乱を更に大にした。
大企業の事故は何時も公表は後手に回る。

先日私もメールの誤信をしてしまった。送信してから取り消そうと
思っても取り消し不可能。一瞬の事である。
たいした事にはなりませんでしたが、日頃は便利に使っている
電子メールであるが、間違えて送信するとビジネス影響する事
だってあるし、個人の信用や信頼を失う事にもなる。

いま、新幹線の駅が自動改札の所が多い。
先日新大阪でラッシュの時間に自動改札機が故障した。
たちまち改札が大混乱である。駅員が皆で故障の修理に当っていたが
改札機の自動化は良いが、一度故障すると大混乱となる。

みずほ証券の誤発注は、誤発注に気付くまでに僅か一分二十五秒で
あったが、この間に数千株の取引が成立してしまったのである。
まさにITの凄さである。ちょっとしたミスの間にシステムは
どんどん一人歩きするのである。

IT社会は、人間とコンピュータの融合などと言われる、いまや
コンピュータが一人歩きする事だってある。

だから、ミスが発生した事に気付いたら直ぐに訂正する事と、
ミスを公表し事態が広がらないようにすべきである。