【#1214】 次期首相に期待するもの

自民党総裁選も福田さんで大勢が決まったね。
安倍首相の突然の辞任劇に政界はももちろんだが、国民も驚かされたし
混乱させられた。前代未聞のこことはいえ本当に「政界は一寸先は闇」
ですね。これで思惑の狂った人、思ったより早くチャンスがきた人
いろいろドラマがあるんだろうね。

京都大学の佐伯啓思教授は安倍首相の突然の辞任劇を次のように
分析している。

第一、その場その場の出来事に情緒的に反応する世論に追い込まれた。

   年金問題や政治と金の問題もマスコミの報道に右往左往して、問
   題に対する冷静な判断ができなくなっていた。

第二、戦後レジーム大きな理念の浄化を避け、「政治と金」を政局にし
   ようとした民主党の戦略。

   戦後レジュームからの脱却を掲げ、教育基本法の改正や憲法改正
   などいろいろ取り組んだが、「政治と金」の前に国民に理解され
   なかった。戦後生まれの首相として憲法改正や戦後日本の見直し
   を掲げたが今の自民党にはこれを受け入れる余地はなかった。
   民主党の一点集中攻撃が国民にはわかりやすかったようだ。
   民主党は政策も理念もなかったが、国民には分かりやすかった 
   んだな。これが今の国民のレベルと思うと悲しいね。

第三、自民党自身である。
   
   自民党は国民的人気のあった安倍晋三を首相にすれば参議院選挙
   に立てると思った。しかし大敗した。自民党は選挙に負けたらも
   う首相を支えない。それどころか足を引っ張り合いである。もと
   もと烏合の衆の集団。風向きで右往左往する議員さんたち。負け
   馬に乗りたくないんですね。すぐ勝ち馬になりそうな人を探し始
   めるのが政治家の世界。信頼とか義などあるわけない。
   
安倍さんは安倍さんであり小泉さんでなかった。しかし国民は日本の
首相は小泉さんのような人でなければ満足できなくなっていたし、自民
党も小泉さんのときのような改革、改革でなければ国民の支持を得られ
ないと思うようになった。国民の人気が自民党を支える常態になり
大きな保守理念に立脚した政党では無くなったのだ。自民党の議員たち
も、北風が風が吹けば一様に南に逃げ、南風が吹けば北に逃げる。
安倍さんを選ぶ時も今回の福田さんを選ぶ時も、派閥は政策も
理念もなく野合した。それが今の自民党だな。

次期首相に今の自民党から「脱却することを期待する」