【#1247】 企業倫理と倫理経営

企業不祥事は後を絶たない。企業不祥事や事件が起きるたび経営陣が
報道陣の前に居並び、頭を下げる光景は、視聴者には「またか」の
光景になった。慣れてしまってはいけないことだが、あまりにも次から
次と起こると、気にならなくなるものだ。

このような事件が起きると必ずと言っていいほど、企業倫理、経営倫理
の欠如が言われる。企業倫理、経営倫理の欠如が事件を起こす企業風土
をつくり、不祥事が不祥事と思わなくなるといわれる。ミートホープな
どに見られるように経営者自身が率先して不正を行うことすらあるが。

企業倫理、経営倫理とは何かな、と思うのだが….,,,,,,,,,。
経済界の人たちが企業倫理について次のようなことを言っている。
パナソニックの上野常務は「企業倫理とは、企業が人間らしさ、他人へ
の配慮をもっと追及することである。」、またある経営者は、「お客様
の期待に応えているいるかを常に意識することである」とか「コンプラ
イアンスの徹底である」などと言われているが、いまいちよくわからな
いが、企業が企業としての行動を行うとき、経営陣をふくめ社員の根幹
を成すものが企業倫理と思うのだが。本来倫理観は外的、内的に拘束、
強制(法律、規則)なれるものではなく、自らが身につけ行動するもの
ではないのかな。

丸山敏秋氏(倫理法人会理事長)は、経営倫理ではなく倫理経営が大切
であることを話されていた。倫理経営と経営倫理は似て非なるもののよ
うであるように私は思うのです。企業倫理は「悪いことをしない」「顧
客との円滑な関係」「コンプライアンス(遵法)の確立」など、性悪説
の立場にたったものであるように思われる。

一方丸山氏が言われる倫理経営は、「実行によって直ちに正しさが証明
できる生活法則」を企業が取り組む事といわれている。要する行動する
ことで正しさが証明できる生活法則とは、「挨拶をする」「大きな声で
返事をする」「気づいたことは即実行し、良くないと思ったら直ぐやめ
る」「喜働の心で働く」など等であるが、確かに挨拶がしっかりできる
社員が多いことは社内が明るくなるし、人間関係も円滑になる。大きな
声で返事をされて悪い気分になる人はいない。倫理経営は日常的な生活
の中で形成されていくものであることが良くわかる。倫理経営は性善説
にたっている。

企業倫理には倫理経営がなされていなければならないと思う。企業倫理
で言われる、コンプライアンスも円滑な顧客関係性も、社内での「挨拶
や返事、喜働のこころ、明朗など」があって始めて本物になっていくの
だと思う。倫理経営の大切さを改めて考えさせられた。

ハーバード大学のハワード ガードナー博士は「実業界を目指す若者の
間で、道徳をなおざりにする傾向が高まっている。個人も組織も、要領
よく立ち振舞うこと、利益ばかり追求すること、自分の行為が他人に
及ぼす影響を顧ないことが当たり前になってきている」と言っている。

またアンドルーズ博士は「グローバル化は企業倫理すら崩壊させる」と
も言っている。

昨年から、また今年はじめから企業の不祥事、犯罪が次々と起こってい
る。あの報道陣の前で頭を下げ謝罪する姿がなくなるよう、倫理観ある
社会になってほしいものだ。。