【#1374】 子供達の携帯電話と文部科学省の対応

1月30日に文部科学省は公立学校の小中学校における携帯電話の取り扱
いに関する調査結果を発表した。その結果小学校では94%、中学校では
99%が持ち込み禁止をしている事がわかったそうだ。

文部科学省の対応はいつもの遅い行政特有の後追い対応である。2003年
頃から学校での携帯電話問題は社会問題化していた。生徒が授業中に携
帯電話で外部とメールや話をするとか、携帯電話でゲームをしてたなど
序の口で、授業中にいじめメールや脅迫メールまでしていた事件があっ
た。
また学校からではないが深夜の「いじめメール」に自殺した子もいた。
学校裏サイトでのいじめや、出会い系サイトの問題もあった。これが社
会問題になったがしかし文部科学省は規制をしようとはしなかった。

小学生、中学生の携帯電話は必要かという議論は何時もある。必要とす
る側の意見は「家庭との連絡」「防犯上役立つ」というのが多い。また
必要ないという意見は「有害情報が簡単に見れるから」「深夜にメール
のやり取りをしている」「授業時間中に使用している」などである。

日本PTA全国協議会の赤田氏は「携帯は単なる電話ではなくネットに
接続できる端末で子供達は直接、有害情報にさらされる」と言っている
が、千葉大学の藤川准教授は「中学卒業後、子供達は携帯を持つように
なる。行動範囲も広がり高校生が携帯の初心者というのも危険であ
る。」と述べている。有識者でも賛否両論であるが、携帯が小学生や中
学生で持つ必要がないというのは私の意見だ。
藤川教授の「高校生が携帯の初心者というのも危険だ」というのは何が
危険なのか分からない。

子供は子供らしくメールなど使わないで言葉と言葉で話して欲しいし、
防犯や家庭との連絡ならば別の手段はいくらでもある。便利や簡単だけ
で携帯に依存する事は反対に非行や犯罪を助長することにもなるし、家
族の絆や信頼を崩壊させていく事にもなる。

それにしても文部科学省の対応は遅いものだな。非行や犯罪が蔓延して
社会問題になりそれが沈静化してきてから対応策を立てるのだから・

ゆとり教育問題もそうであった。学力の低下が騒がれ社会問題化しても
そんな事はないと言い張る文部科学省。学級崩壊などが多発しても学校
任せ、教育委員会任せであった。国際的学力テストの結果が先進国、ア
ジアでも下のほうになってからようやく重い腰をあげ、ゆとり教育の見
直しであった。

行政というものは何事も後追いなのである。行政に先手、先行はないし
前例も作らない。前例のないものはやらない。そして失敗という概念が
ないから責任もないのである。