セブンーイレブンが販売期限が迫っている「弁当」や「おにぎり」等
を、お店の棚から撤去して、全て廃棄していたことで、公正取引委員会
から排除命令を受けた。以前からこのような話は聞いていたし、たびた
び問題ではないかと、言われていたことではあった。定価販売主義のコ
ンビは、加盟店の意思で「値引き」する事を禁じていたのだ。今回、こ
の定価販売主義を加盟店に押し付け、販売期限が迫った「弁当」や「お
にぎり」を値引き販売することを禁止していたことを、公正取引委員会
が「不公正な取引方法」として排除命令をだしたが、セブンーイレブン
は納得はした様子ではなかった。
フランチャイズ本部と、加盟店の契約内容はどうであったかわからない
が、まだ十分に食べられるものを「棄てる」というのは、あまりにも
「もったいない」話しだ。
この定価販売主義は、セブンーイレブンの企業利益をどのように稼ぎ出
すかの企業論理の行為である。定価販売を前提に、売れ筋商品をきめ細
かく分析して、どのような時間帯にどのような商品を何個並べれば、最
も利益が上がるかなどを考えてのことであろうと思う。経営管理の手法
を最大利益のために駆使し、企業として維持成長することは立派なこと
ではある。
しかし、いま地球環境問題や食料問題が社会問題化し、日本を始め世界
中がこの問題に取り組んでいる。棄てられる弁当やお握り、惣菜なども
多くの栽培・加工・輸送・店頭・冷却などエネルギーを消費して店頭に
並んでいるはずである。それが初めから棄てられる事を前提にして、値
引きをして売れば消費者の口に入り、有効なエネルギーとなるはず。そ
れが定価販売主義をするために、まだ食べられるものを棄てるとは、地
球環境や、食糧問題、地球環境に対して背く事である。また、コンビニ
がこれらの弁当やお握りを棄てるコストは、結局消費者の負担である。
増え続ける食品ゴミも環境を汚す元である。
いま日本の食料自給率は40%しかなく、先進国中で最も低いし、世界中
から食料品を輸入している。野菜も魚も肉も、加工食品、小麦、鰹節な
ども、漬物だって多くは輸入品だし、水だって米だって輸入している。
ありとあらゆるものを輸入しているのある。一方で日本は年間2000万ト
ンの食品を破棄している。コンビに弁当の破棄もその中に入っている。
世界では食料が不足して餓死で死ぬ人、死に瀕している人が数億人いる
といわれている。一方で、企業利益のために年間数万トンの食べられる
食品を棄てている企業がある。
セブンーイレブンが、加盟店が破棄する食品の損失の15%を負担すると
いっているが、これは単なる加盟店の値引き防止策である。
コンビニエンスストアは地球環境や食糧問題、人口問題、企業倫理の視
点から、ビジネスモデルとしてのコンビニエンスストアがどうあるべき
かを、考えるときが来ているのではないかと思うのです。