この本でアメリカの経済学者のフリードマンは、低所得者層が保護され
ると、かえって勤労意欲が損なわれることが少なくない。それは「所得
が増えれば援助が減ってしまうので、働かなくなる」という説で、逆イ
ンセンティブ効果による「福祉の罠」というらしい。
この本では、「例えば、最低賃金が時給800であるとしたら、一人の失
業者がいて、ある経営者が時給700円であればその失業者を雇ってもよ
いと考えているものとします。最低賃金法では、時給800円は違法なの
で、経営者は時給800円支払わなければなりませんが、時給800円では雇
う事ができません。結局失業者は雇ってもらえない」という。そして失
業保険という政府の保護に甘受するのである。政府が低所得者層を保護
するために最低時給を800円と決めているからである。逆インセンティ
ブの「福祉の罠」である。
「失業と雇用」は古くて新しい経済の問題であるが、これだけ経済理論
や経済政策が発展して社会制度が整っても、この問題は解決されてな
い。日本も失業率4%代が恒常的になってきた。以前であれば失業率3
が%を超えれば大騒ぎであったが、今は誰も驚かなくなった。いまは失
業しても国がある程度保護してくれるし、欲しいものを我慢すれば食っ
ていける。
働くと言う事が、「食うため」になっていて、食えていれば無理はしな
いという人が多くなってきているのではないか。現代は、働きが「生き
がい」「社会にやくにたちたい」「人生の目標」「やりたい事を実現す
る」という事を達成する意識が希薄になってきているのではないか。
フリードマンがいう「福祉の罠」、今の日本も「この罠」にはまっては
いないだろうか・・・・一度考えて切る事も大事ではないだろうか。