【#1717】 徳義と智恵に関する現代社会に対する私の意見

徳義と智恵に関する現代社会に対する私の意見
現代の日本は戦後急速な経済発展を遂げてきました。高速道路網や新幹
線、上下水道や通信網・IT環境など社会インフラは世界でも有数の普及
国になりましたし、国民の生活水準や教育水準も先進国のTOPクラスに
おります。1952年のサンフランシスコ講和条約以降、日本の戦後復興は
本格化し、悲惨な戦後から豊かさを求め国民は汗を流して働き立ち上が
っていきました。そして1960年以降は池田内閣による所得倍増政策や
1972年の田中内閣の日本列島改造論に象徴されるように、日本は大きな
発展を遂げ今日の経済大国を築きました。その結果、日本国民は経済的
豊かさのみが関心事・目標となりました。その結果、江戸・明治時代の
先賢達が学び伝えてきた活学(心を照らして行くような学問)(参考図
書・安岡正篤)や、漢学(儒教等)などによって培かってきた高い日本
人の精神性や文化性は失われてきました。3,11の東日本大震災のときの
被災者の秩序ある行動などは日本人の国民性でありますが、その根底に
は日本人の高い精神性があったのです。いまそれが日本から失われつつ
あります。戦後教育は勉強のできること、偏差値が高いことのみが優秀
であるとされ、心の豊かさや、他人を思いやる心、真面目さなどは軽ん
ぜられてきました。それは明治の藩校に代表されるような「学問」がな
くなったからと、思います。今日勉強という知性、知識は高度になりま
したが「学問」をする事によって磨かれる「徳義」が忘れ去られてきた
と思います。特に戦後教育の中で徳義を教える事は学校教育の中からも
なくなりました。もう日本は経済的豊かになったのですからこれからは
心の豊かさや秩序ある社会になっていかなければなりません。その為に
は、これからの日本人は、緩やかな経済の発展を求めながらも、自らを
磨き律する学問をする事をしなければならないと考えます。