先日の日経新聞に阿辻哲次氏の(遊遊 漢字学 二宮尊徳像なき時代の
「勤労」という記事があった。
年配の方ならご存知だろうが、昔の小学校には、背中に薪を積み上
げ、うつむいて歩きながら本を読んでいる少年の像があった。
少年の名は二宮金次郎、後に農学者として大成する二宮尊徳である。
(中略)
尊徳の話の中心は、勤労と向学心という二つの美徳がある。この美徳
は今の日本でも決して輝きを失っていないはずだが、今の小学校に二
宮金次郎はいない。生活のゆとりを、という主張が浸透したからだろ
うか、最近の日本の一部には、歯をくいしばる姿を「ダサい」とか、
「カッコ悪い」ととらえる風潮があるように見受けられる。しかし
国民が汗をかかずに、楽ばかりして生きている国があるとすれば、
その国はほどなく亡ぶに違いない。
今日本は「働き方改革」が言われる時代、「勤労」「勤勉」という言葉
だけでもバッシングにあう。ましてや汗して働くことを奨励すれば「酷
労」とか「ブラック」「ダサい」「人権侵害」「パワハラ」などと言わ
れ社会から軽蔑される。まして残業を奨励したら「過労死」だの「過重
労働」だの・・・。
「労」(本来の字形は「勞」は、二つの火と家の屋根と力からできて
おり、その解釈はいくつかの説があが、一説には屋根が火で燃える時
に人が出す「火事場の馬鹿力」の意味から、「大きな力を出して働
く」ことだという。だが「労」の本来の意味が緊急時における働きで
あったとしても、豊かな社会を作るための基本が額に汗する平素の勤
労である事には変わらない・・・。
先日故郷の佐倉河小学校(岩手県奥州市水沢区佐倉河)に立ち寄った。
校門を入ると正面にあの「背中に薪」を背負い本を読みながら歩く「二
宮金次郎像」があった。何か心が「ホッとし」、この小学校で学び遊ん
だ遠い昔のことが思い出された・・・。
この小学校で学んでいる子供さんたちはこの「二宮金次郎像」をどのよ
うに見ているのだろうかと・・・「勤労」と「向学心」を受け取ってほ
しいものだと思ったしたいです。