【#2400】 今日の本棚から・・

経営とは何かについて考える時、それは同時に経営者とは何かを考えな
ければならない。このことについて丸山敏秋著(社団法人 倫理研究所
理事長)「教育力」の中でこのように述べている。
 
 「経営者は権力者だ、とだれも言いたがらないが、事実そうであって
  経営権という権力を行使するものである。ただ権力の行使の手段が、
  昔と違ってきたし、違ってこざるをえなかった。権力を行使しなけれ
  ば、経営者ではなく経営評論家である」と山本七平氏の言葉を引用し
  て書かれている。

その権力についてやる丸山氏は、ガルブレイスの言葉で次のように説明
している。

  権力には「威嚇権力」「報酬権力」「条件づけ権力」がある。
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  条件づけ権力とは「教育力による」である。

社員といかに上手にやてって業績をあげるかが経営者に問われる。ガル
ブレスは、経営者は組織内を完全に掌握して、経営者として権力を行使
するとき、はじめて影響力を及ぼすという・・・

企業の不正事件や、取引先、顧客とのトラブルなど、企業には多くの問
題の火種や時には事件になりそうな事が潜んでいる。

企業が侵す問題や事件は、全て経営者の責任である。私の知人の社長は
社長室に「会社で起きる問題は全て私社長の責任である」と書いた言葉
を額に入れて日々の行動指針にしている。その責任を果たすために常日
頃から社員教育を徹底し、社員と共に「企業理念」「企業価値」を共有
している。
何時も勉強させて頂いている。

昨今、企業が侵す犯罪や事件、問題が多く報じられることが多くなって
きた。過失によるもの、故意によるもの、わかってやるもの、知らずに
やっている事など、その発端はいろいろであるが、しかし一旦問題が表
面化すると企業存亡にかかわる事にさえなる・・。

コンプライアンス遵守などが云われて久しいが、コンプライアンス遵守
も企業の倫理観も、企業文化も、全て経営者の権力行使で社内に浸透し
ますし、経営者の「教育力」によって培われるものと思う次第です。

倫理研究所の丸山理事長には数回ほどでしたが直々ご指導いただいた事
があった。改めて「教育力」を読んでいる。

今日から12月師走に入った。一年は早いものである。