【#2797】 ある雑誌記事から

先日ある雑誌で「中小企業再編論」なるアトキンソン氏の記事が載っていた
それに関連する識者の賛否の議論がから・・・

  小さな会社な生産性が低いから、日本の経済のためには良くない
  というような主旨の内容だった。日本の労働者の7割は中小企業で
  働いていますし、企業数の99、7%が中小企業だ。
  日本の中小企業の生産性は低くといわれています。EUの中書企業
  の生産性は66%に対して、日本は51%だ。
  だから、中小企業を統合、再編させて強い中小企業にすべきだ。そ
  れにのれない中小企業は淘汰されるべき・・論でした。

これが、今の日本政府や経済産業省の政策の底流に流れているし、これを目指し
ているのではないか。実際に日本政府は「最低賃金の引き上げを早期に目指す方
向でもある。又全国一律最低賃金を1000円にすることも検討されている。これ
らが実施されたら地方の中小企業は淘汰されるだろう。そうでなくても地方の中
小企業は経営体質が弱いし、業績が良いとは言えないところに、最低賃金を一律
同一賃金が導入されては、経営を圧迫されるところではなく、存亡の危機になる
ことは誰の目にも明らかである。政府や経済産業省、一部の有識者と言われる学
者はそれを分かっていながら、そのような政策を提言、実施しようとする。

確かに中小企業は大企業に比べて、生産性は低いく企業体力も弱いし従業員の賃
金も低いのは現実であり認めるものだ。しかし、だからといって中小企業を統廃
合して、強い中堅企業、大企業にして行くと言うのは大きな誤解であり、誤りで
ある。

今の大企業の製品の多くは、中小企業の伝統的な優れた技術によって作られてい
るものが多くあるし、世界に誇る新技術の発明も中小企業から出ているものも多
くある。ましてや、我々が日常使っているの車の部品も多くも中小企業の技術革
新よって支えられている。又、日本の労働者の7割は中小企業で働いて雇用を生
み出している。統廃合されて強い中堅企業が生まれたからといって、溢れた労働
者を受け入れるだけのものは生まれないのです。

又、技術のアイデア性や革新性は大企業より中小企業から生まれるのが多いと言
う記事を読んだことがある。戦後日本の経済、産業の成長性を支えきたのは中小
企業だった。今は大企業になっている企業も、その過程では中小企業として技術
を磨き優れた部品を作って大企業に納めながら、自分たちの製品を作ってきたの
です。中小企業の方が大企業より先進性や革新性、新規性のものを作り出してい
る・・・それが日本の中小企業の強みなのだと思う。確かに生産性や労働賃金、
経営の体質の脆弱性はありますが、しかし、産業の発展にとって重要な先進性や
革新の技術性、発明のような新規制は中小企業の方が強いのです。

アトキンソン氏は、中小企業は日本経済の発展の阻害になっているというが、そ
れは経済的合理性や投資ファンドなどの金融資本から見ると、中小企業は阻害要
因かもしれないが、社会、産業の発展や技術の革新、新規制のある技術やビジネ
スモデルは中小企業から生み出されている。大企業も仕入れ先、外注先、下請け
企業といわれる中小企業の上に成り立っているいっても過言ではない・・・。
日本の経済を強くするためには、中小企業を統合再編させて強い中堅企業を作る
ることではなく、その企業のもっている強みや高い技術力を更に強くする政策や
育成策を取るべきです。

中小企業とは、個性ある優れた高い技術力やアイデア力、問題解決能力を持っ
て、決して経済的合理性だけではなく、その革新性のある新技術や伝統的技術、
創造性に優れた企画力やノウハウで社会に貢献している小さな企業を言うのだと
思います。

今日はある雑誌で読んだ、政府の中小企業政策の記事を読んだ感想を書いた。
これで終了して寝ることにする。