【#3091】学ぶとは

今日は暖かい一日でした。二月は一年で一番寒い時ですが、こう暖かいと暖冬というより異常な暖かさで異常な冬ですといえますね。夏の暑い時は異常気象だとメディアや団体は騒ぎますが、この暖かさに「今週も暖かい日が続きます」という報道ですね。今日は15℃もありましたよ。

 

昨夜は30年来の友人3人で定期親睦会でした。会社を閉鎖して老後を楽しんでいる元社長、会社を譲渡して今は会社顧問として一日数時間働いでいる元社長、そして70歳過ぎてから新規事業に取り組んでいる私。共にこの30年お互いに困った時は相談しあい、苦しい時は知恵を出し合っって助け合ったりしてきた友人です。互いに仕事人生を振り返りながら、これから先をどう意義あるものにして生きるかを語り合って家路についた。

「前車の覆るは後車の戒め。」
先日読んだ中国古典の中で見つけた言葉をご紹介致します。
漢の時代の賈誼が文帝に献策した文章の中の言葉だそうです。賈誼は秦の始皇帝の滅亡をこの言葉に引用して述べたといわれます。
賈誼は、漢代の前の秦を「前車」に例えて、秦が僅か二代で滅亡したのは秦の始皇帝による強権、悪政の無理が祟ったからであり、よって前車のひっくり返ったのを教訓にし政治にあたれば、民衆は安心し政治は安泰すると申しました。
文帝は秦の失敗に学び、民衆の声を聞き自ら倹約を旨とした政治にあたり、治績をあげ名君になったという話であります。
前車のひっくり返るのを見たらその二の舞を踏むな、と云う歴史の教訓です。
私達は、他人の失敗に自分はそんな失敗はしないとか、こうすれば良かったのにと批判批評はしますが、それを自らの教訓や戒めにすることは以外としないものです。また自分の失敗は認めたがらないし、成功したとは吹聴したいものです。
失敗を失敗として受け止めないし、その原因すら分かろうとしないのです。

世の成功者の話はたくさん聞きますが、失敗者の話は陰口では聞いても公の話題にはなりません。成功者は、その人の素質に天の時、地の利が味方し成功すると云われますが、失敗者には失敗人たちに共通するものがあると云われます。お客様を粗末にしたり、社員を道具のように使ったり、会社の現実に目を向けようとしなかったりといろいろありますが、大方の失敗者の原因は共通するそうです。
「殷鑑遠からず夏后の世にあり」という言葉もあります。歴史は勝者の物語が多いのですが、敗者の物語でもあります。同じ失敗をしないためにも、先人の失敗に学ばなければなりません。
成功の事例に学ぶことも大切ですが、前車の覆る、要するに先人の失敗体験に学ぶ事がより有益であるとおもいます。

 

今日はこれで終了とします。