【#3232】事予則立、不予則廃

私が30年ほど前にある小冊子に投稿した記事です。その小冊子は私が発行していた「第十七回SCC 経営ワンポイントセミナー」です。今日久しぶりに読み返してみた。題は「事予めすれば即ち立ち、予めざれば則ち廃す」という「中庸」の言葉らか、私の思うところを書いたものです。(事予則立、不予則廃)・・・その意味するところは、事にあたって、準備の大切な事を説かれています。事にあたって成功するか失敗するかの分岐点は、種々の要件はあると思いますが、一番大切な事は十分な準備をする事にあるという。準備には、計画による準備、物質的な準備、精神的な準備とありますが、どれをとっても皆重要であり、準備の如何によって成功失敗が決まるといっても過言でないのです。

日本では昔から「段取り7割」と言われ、仕事がうまくいくかどうかは準備段階で7割決まるといわれています。その準備について「中庸」は具体的に次の事を言っております。1,発言をする前に、良く考えてから発言すると、つまずく事はない。2、事を始める時は、事前に十分な計画を立ててかかれば、苦しむことはない。3,行動を起こす前に、十分な予定をしっかり定めておけば、失敗する事はない。4,歩き出す前に日程をしっかり定めておけば、途中でへばる事はない。

あるセミナーでこんな話を聞いたことがあります。良く仕事のできる人とできない人の違いは、段取りの違いにあるといわれております。段取りとは計画の事であり、準備の事であります。事前準備は、事の進行を事前に予測できますし、実施にあたって無駄をなくします。危機に遭遇した時は回避の方法も予め予定できるのです。また精神的にも十分な心の備えもできますから、失敗は少ないのです。経営者は、事を始める時には失敗は考えたくないものです。成功する事に熱い情熱を注ぐあまり、粗略な計画で細かい事は意気込みで消し去るのです。数年前の「バブル期」に成功を収めた人も、いまは「夢破れて山河あり」です。孫氏の言葉に「彼を知り己をしれば、百選して危うからず」という。・・・完

日々作戦苦闘している私には、この事前準備の大切な事は誰でも知っているのですが、いざ実行となると意外と難しいものです。心に命じたいものです。あすから、また奥州漆研究所に精製作業をする。この時期の東北名一年で一番寒い時ですが、魂を打ち込んで仕事をしてこよう。