【#969】 拉致問題を風化させないで

今度の「郵政民営化」を問う衆議院選挙の陰に隠れてしまった
「拉致問題」。前回の選挙の時は全ての候補者が拉致問題を
前面に出して選挙戦を戦ったが、今回は拉致問題を前面に出して
選挙を戦う候補者はいない。

各政党のマニフェストは一応拉致問題には言及しているが、
真剣に解決に取組む内容ではない。拉致問題を入れないと
批判を浴びるから申し訳程度に入れているだけのようである。
マニフェストの内容も今までの言い尽くされた内容であり、
実効性に乏しいし各党も真剣にやらないであろう。

新潟2区の民主党から立候補している鷲尾栄一朗候補者は、
「拉致問題?論点にあがっていないことを わざわざ取り上げる
必要は感じないですね。」(産経新聞)

国政選挙の立候補者は、自らの政策や公約をもって国民に
投票をお願いするのであって、論点にあがっていようがいまいが
自らの政治家使命として、国家の問題に取組むという信念が
大切なのではない。ましてや拉致問題は国家主権の問題であり
日本の安全保障の問題である。また多くの拉致被害者がいまだに
解決の先が見えない、不安と絶望の中で苦しんでいる。
この事に鷲尾栄一郎氏のような言葉は無神経であり、惨い言葉であり、
拉致被害者の心を逆撫でするものである。

これから選挙戦に入る。選挙戦で拉致問題が郵政民営化の陰で
風化されて行かないようにして欲しい。