すっかり秋ですね。「秋の日はつるべ落とし」と言いますが、これからは日一日と夕暮れは早くな
るな。
中国古来の兵法書「孫子」のなかに、「水を背に、山を前に戦え」というのがあるそうだ。
”股くぐり”のエピソードで有名な漢の将軍韓信が、それを見事にやってのけた史実が残ってい
る。韓信が趙の軍と戦い窮地に陥ったとき、一万二千の兵を川を背に陣を取らせた。敵である趙軍
は、これまでにも例のないその無謀な布陣を嘲笑し、一蹴せんものと打って出た。だが、自ら逃げ
場を失った決死の漢軍の戦闘力は凄まじく、逆に二十万の趙軍はさんざんに打ち負かされたのであ
る。圧倒的な敵の兵力に勝ったのである。
韓信は「己を死地に陥れてはじめて生を得る」という孫子の兵法を実戦のうえで見事に実証して
見せたのである。この戦法を名付けて「背水の陣」ということは周知のことである。
人は、一歩も後に退くことのできぬところに追い込まれると、普段では出し得ぬ力が瞬時のうち
に何十倍という形で突出するものである。「もう後には死しかない。考える余裕もなければ策もな
い。ただあるのは、自ら前へ進むだけ」というときに、不可能だと思っていることが可能になるこ
とは良くあるという。
今日の厳しい経営環境の中にあって、ひときわ味わい深い言葉のように思える。少なくとも、人
生の大半をすごす職場と仕事の中で、いつも「背水の陣」の心構えでいたいものだ、と自らの心に
言い聞かせている・・・・・・・・。
今日はこれで終了とする。